邪神バスターズ(原題:The Last Lovecraft: Relic of Cthulhu)をレビュー(ネタバレなし)
The world is indeed comic, but the joke is on mankind. -H.P.Lovecraft
“世界は人類をからかった喜劇だ” ――H.P.ラヴクラフト
ラヴクラフトの言葉から始まるこの映画。クトゥルフ神話ものでも珍しいコメディ・ホラーのジャンルである。
今回はTSUTA○Aでたまたま手にとったこの映画、邪神バスターズの感想を書いていこうと思う。
クトゥルフ神話初心者でも楽しめる
クトゥルフ神話を熟知している人なら、当然楽しめるであろう。
しかしこの映画では冒頭で「クトゥルフ伝説」なるものを解説している。
実際にクトゥルフとは何か、そしてH.P.ラヴクラフトとは誰かをしっかりと説明している。
そのため、クトゥルフ神話超初心者でもほぼ問題なく映画の世界に入っていけるのだ。
(実際に、筆者はラヴクラフト作品を5つほど読み、邪神についての知識もあまりないため初心者と言える。)
そうは言っても、やはりクトゥルフ神話なだけあって専門用語は多い。
怪物の名前を知っておく必要はないが、「クトゥルフ」や「深きもの」など、クトゥルフ神話特有の語感には慣れておいたほうが良いとは言えるだろう。
コメディー要素は“下ネタ”が多い
邦題、邪神バスターズというだけあり題名からコメディー映画的な雰囲気はある。
実際に見てみると、本気で語っている部分でもふざけているところでも、下ネタが多いのだ。
しかし下ネタでないところでの行動や反応が面白いところもあり、下ネタだけの物語にならなかったのはコメディーとしてマシである。
また、英語音声で聞くとわかるが度々Fワードが飛ぶ。
汚い言葉が嫌いな人には、この映画はあまり面白いとは言えないだろう。
グロ要素は少ない
これが今回、最も驚いた点である。それはグロテスクなシーンが少なかったことである。
見えても窓につく血や目視しにくい肉片ほどであり、
船にあった針が手に刺さる、
顔の皮が剥がれて肉が見える、
沼に引っ張られたことで引きちぎられ、棒に繋がれた手首だけが残る
といったとてつもないグロテスクな要素*1は一切ないので、グロ耐性がない人でも血と食用生肉が見れれば問題はない。
映像のクオリティはよい
この映画はCGがかなり自然である。今まで見てきた映画の質が低く、筆者の感覚が狂っているかも知れないが。
だがこの映画はアクション映画ではないので、派手さは一切ない。MARVELとかSTAR WARSとかのVFXは想像しないでくれ。
また撮影もうまく画質もよく、見ていて引き込まれるようであった。
途中に入るコミック調の演出も結構凝っていたのも良かった。
BGMもそこそこよいが、心に響くとかまではいかなかった。